就労継続支援A型とB型の違いは?給料や対象者、選び方を解説

【はじめに】働きたいけれど、自信がない…そんな時の選択肢

病気や障害と付き合いながら、社会に出て働きたい。そう願っていても、今の体力で毎日通勤できるだろうか、人間関係でまたつまずいてしまったらどうしようという不安が大きく、なかなか一歩を踏み出せない方は少なくありません。一般企業での就職を目指してハローワークに行ってみたものの、求められる条件と自分の現状とのギャップに自信をなくしてしまうこともあるでしょう。

そんな時に知っていただきたいのが、障害や難病のある方のための働く場所、就労継続支援という国の制度です。これは、今の段階では一般企業で働くことが難しい方に対し、働く機会や訓練の場を提供するサービスです。

就労継続支援には、A型とB型という2つの種類があります。名前は似ていますが、その中身や対象となる方、得られる収入には大きな違いがあります。それぞれの特徴を正しく知ることで、今の自分の心身の状態に合った、無理のない働き方の第一歩を見つけることができます。

この記事では、A型とB型の決定的な違いや、それぞれの作業内容、工賃(給料)の目安、そして実際に利用するための手続きについて詳しく解説します。働くことはゴールではなく、生活の一部です。焦らず自分らしいペースで進んでいくためのヒントにしてください。

簡単に分かる!就労継続支援A型とB型の違い

まずは、A型とB型の最も大きな違いについて比較してみましょう。この2つを分ける決定的なポイントは、事業所と雇用契約を結ぶかどうかという点です。

決定的な違いは雇用契約の有無

就労継続支援A型は、雇用型とも呼ばれます。利用者は事業所と雇用契約を結び、労働者として働きます。そのため、労働基準法などの労働関係法規が適用され、都道府県の最低賃金以上の給料が保証されます。その分、勤務時間や出勤日数の決まりは厳格で、一般就労に近い責任が求められます。

一方、就労継続支援B型は、非雇用型と呼ばれます。事業所と雇用契約は結びません。労働者ではなくあくまで利用者として、リハビリや訓練の一環として作業を行います。雇用契約がないため、労働基準法は適用されず、最低賃金の保証はありませんが、体調に合わせて短時間から働くことが可能です。自分のペースで無理なく通えるのが最大の特徴です。

年齢制限と利用期間の違い

対象年齢にも違いがあります。A型は原則として18歳以上65歳未満の方が対象です。働く意欲と能力がある現役世代向けのサービスと言えます。B型には年齢制限がありません。50代、60代から利用を始める方もいれば、特別支援学校を卒業してすぐの方もいます。

利用期間については、どちらも原則として制限はありません。ただし、A型の場合は雇用契約があるため、事業所の経営状況や本人の勤務態度によっては解雇の可能性があります。B型は福祉サービスとしての側面が強いため、長期的に安定して利用しやすい傾向にあります。

就労継続支援A型とは?特徴と向いている人

それでは、詳しくそれぞれの特徴を見ていきましょう。A型事業所は、一般企業への就職を目指すための最終調整の場とも言えます。

雇用契約を結び、最低賃金が保証される

A型の最大のメリットは、最低賃金が保証されるため、ある程度の収入が見込めることです。労働者として扱われるため、条件を満たせば雇用保険や社会保険に加入することもできます。働くことの対価として給料を得る経験は、経済的な自立だけでなく、大きな自信につながります。

作業内容は一般就労に近い

作業内容は事業所によって様々ですが、比較的難易度の高い業務や、スピード・正確性が求められるものが多くなります。

  • カフェやレストランでの接客、調理補助
  • パソコンを使ったデータ入力、WEB制作
  • 商品の検品、梱包、発送代行
  • 清掃業務
  • 自動車部品の請負作業

これらを通じて、ビジネスマナーや職場でのコミュニケーション能力など、一般就労に必要な実践的なスキルを磨いていきます。

向いている人:一般就労を目指す準備段階の人

A型に向いているのは、次のような方です。

  • 将来的には一般企業で働きたいという明確な目標がある
  • 毎日決まった時間に通勤し、所定の勤務時間を働く体力がある
  • 薬の管理や体調管理がある程度自分でできている
  • チームでの作業や、業務上の指示・命令に対応できる

つまり、働く意欲や能力はあるけれど、一般企業でフルタイム勤務するにはもう少しサポートが必要、という段階の方に適しています。

就労継続支援B型とは?特徴と向いている人

続いてB型事業所についてです。こちらは、働くことへのハードルを極力下げ、誰でも参加しやすい環境が整っています。

自分のペースで働き工賃を受け取る

B型では雇用契約を結ばないため、給料ではなく工賃という形で報酬が支払われます。金額は作業した分や生産した分に応じて決まる出来高制や、時給換算で計算されることが一般的です。最低賃金の適用がないため収入はA型より低くなりますが、その分、ノルマやプレッシャーはほとんどありません。事業所によっては週1回からでも通え、体調が良い時だけ通う、調子が悪い時は休むといった柔軟な利用が可能です。

作業に対する負荷が低い

B型の作業内容自体はA型や一般就労と差はありませんが、すべての工程を行わなくて良かったり、配慮を多くしてもらったりなど、働きやすい環境設定がされています。

  • パンや焼き菓子の製造、販売
  • アクセサリーや手芸品の製作
  • 農作業、野菜の袋詰め
  • 部品加工などの軽作業
  • パソコン作業、イラスト作成
  • クリーニング、洗濯代行
  • 動画編集

向いている人:生活リズムを整えたい人

B型に向いているのは、次のような方です。

  • 長いブランクがあり、いきなり働くのは不安
  • 体調の波が激しく、毎日決まった時間に通う自信がない
  • 年齢や体力の面で、一般就労は難しいと感じている
  • まずは日中活動の場を確保し、生活リズムを整えたい
  • 仲間と交流しながら、楽しく作業がしたい

ただし、B型から一般就労することも可能です。自信がない方はまずB型を利用し、その後A型に進むのか一般での就職を目指すのかを考えても良いかもしれません。

お金の話:給料(工賃)の相場と利用料について

働く場所を選ぶ上で、やはり気になるのはお金のことです。収入の目安と、逆に利用するためにかかる費用について解説します。

A型の平均月給とB型の平均工賃

厚生労働省の調査によると、令和4年度の平均的な月額は以下の通りです。

  • A型の平均月給
    約9万円前後
    最低賃金が適用されるため、勤務時間数によってはこれ以上の収入も可能です。ただし、短時間勤務が中心の場合は、扶養の範囲内に収まる金額になることもあります。
  • B型の平均工賃
    約2万4千円前後
    事業所によってかなり差があります。月額3千円程度のところもあれば、平均工賃が5万円を超える高い工賃を目指す事業所もあります。作業内容や通所日数によって大きく変動します。

利用料はかかる?

就労継続支援は障害福祉サービスの一つであるため、利用料(自己負担額)が発生する場合があります。ただし、これには前年度の世帯収入に応じた負担上限月額が設定されています。

  • 生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯
    0円
  • 市町村民税課税世帯(所得割16万円未満)
    9,300円
  • 上記以外
    37,200円

実際のところ、利用されている方の9割以上は無料で利用されています。ご自身がどの区分になるかは、お住まいの自治体の窓口で確認することができます。

失敗しない事業所選びのポイント

A型もB型も、事業所によって雰囲気や方針は千差万別です。入ってから合わなかったと後悔しないために、チェックすべきポイントをお伝えします。

ホームページだけで決めず、必ず見学・体験を

インターネット上の情報だけで決めてしまうのは危険です。必ず現地に行き、見学や体験利用を申し込みましょう。実際に作業を体験してみることで、座りっぱなしで腰が痛くならないか、手先の細かさが自分に合っているかなど、具体的な相性がわかります。

チェックすべき4つのポイント

見学や体験の際は、以下の点に注目してみてください。

1.スタッフと利用者の関係性
挨拶は明るいか、スタッフが高圧的ではないか、利用者がリラックスして作業しているかなど、職場の空気感を確認します。

2.通いやすさ(アクセス)
無理なく通える距離にあるかどうかも重要です。どんなに良い事業所でも、通勤だけで疲弊してしまっては長続きしません。送迎サービスの有無も確認しましょう。

3.作業内容と一般就労の実績
その作業は自分が苦痛なく続けられそうなものか。また、その事業所から一般就労へ移行した実績があるかどうかも、将来を見据える上での参考になります。

4.スタッフの専門性(精神保健福祉士や社会福祉士など)
何かあった時に相談に乗れるスタッフがいるかは、安定して働くために大切です。精神保健福祉士、社会福祉士などの専門職がいるかも重要な要素です。

利用するには?手続きの流れと相談先

最後に、実際に利用を開始するまでの流れを解説します。ハローワークに行けばすぐに働けるわけではなく、福祉サービスとしての手続きが必要です。

まずは相談支援専門員や窓口へ

利用を検討し始めたら、まずはお住まいの自治体の障害福祉課か、相談支援事業所に相談します。ここには相談支援専門員という専門家がいて、あなたの希望や状況を聞き取り、適切なサービス利用計画案を作成してくれます。一人で役所に行くのが不安な場合は、ご家族や、現在利用している医療機関のソーシャルワーカーに同行を依頼するのも良いでしょう。

障害福祉サービス受給者証の申請

就労継続支援を利用するには、障害者手帳を持っているか、あるいは医師の診断書などにより支援が必要と認められる必要があります。自治体に申請を行い、調査を経てサービス利用の許可が下りると、障害福祉サービス受給者証が発行されます。この受給者証が手元に届いて初めて、希望する事業所と契約を結び、利用を開始することができます。

申請から受給者証の発行までは、通常1ヶ月から2ヶ月程度かかります。見学や体験利用はこの待ち期間中に行うことが多いので、早めに動き出すことをおすすめします。

【まとめ】焦らずステップアップ。生活と仕事の両立を応援します

就労継続支援は、一度入ったら終わりではありません。自信がついたらステップアップしていくことも可能です。大切なのは、今の自分の状態に合った場所を選び、無理なく継続することです。

私たち訪問看護ステーションかがやきも、そんなあなたの働きたいという想いを全力でサポートします。働くためには、土台となる心身の健康と生活の安定が欠かせません。朝起きられない、服薬が安定しない、職場の人間関係で悩んで眠れない。そんな時は、訪問看護師やスタッフにご相談ください。ご自宅での生活を整え、安心して働き続けられるよう、医療と生活の両面から支えていきます。まずは最初の一歩、焦らず一緒に踏み出していきましょう。

 

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