精神科訪問看護がサポートできる対象の方について

こころの不調は、誰にでも起こりうるものです。「病院には通っているけれど、家にいると不安になる」「薬を続けるのが難しい」——そんな声をよくお聞きします。
精神科訪問看護は、心の病を抱える方が安心して生活を続けられるように、看護師がご自宅に伺って支援する医療サービスです。

症状や病名に関わらず、「暮らしの中で困っていること」に寄り添うのが私たちの役割です。ここでは、訪問看護ステーションかがやきが支援している主な疾患と、その方々へのサポート内容をご紹介します。

統合失調症

幻聴や妄想、意欲の低下などが現れる病気です。一見落ち着いていても、内面では不安や混乱を感じていることがあります。訪問看護では、服薬管理や体調の変化を見守りながら、
「安心して生活を送るリズム」を一緒に整えます。また、再発予防のための早期サインに気づき、医師と連携して対応します。

うつ病・双極性障害（躁うつ病）

気分の波やエネルギーの変化が大きく、日常生活に影響が出ることがあります。訪問看護では、気分の変化に合わせて無理のない生活ペースを一緒に考え、「できること」と「休むこと」のバランスを整えるお手伝いをします。服薬のサポートや、再発予防のための振り返りも行っています。

不安障害（パニック障害・社交不安など）

突然の動悸や息苦しさ、人前で話すと強い緊張を感じるなど、不安が日常生活を妨げてしまうことがあります。訪問看護では、リラクゼーションや呼吸法の練習、安心できる環境づくりを通じて「少しずつ外に出られる力」を育てていきます。

強迫性障害（OCD）

「手を何度も洗わないと気がすまない」「確認を繰り返してしまう」など、不安を和らげるための行動が止められなくなる病気です。看護師が繰り返しの行動を責めることなく、「不安と上手に付き合う方法」を一緒に見つけていきます。安心して取り組めるよう、医師や心理士と連携して支援を行います。

認知症（初期や若年性を含む）

もの忘れや混乱が増えることで、不安や孤独を感じやすくなります。訪問看護では、日々の生活を見守りながら、安心して過ごせるように環境や習慣を一緒に整えます。ご家族への支援も重視し、「見守る人」も安心できる関係をつくります。

発達障害（自閉スペクトラム症・ADHDなど）

人との関わり方や時間の管理、感情のコントロールなどで難しさを感じることがあります。訪問看護では、日常生活の工夫やストレスの対処法を一緒に考え、安心して自分のペースで過ごせるようサポートします。また、周囲との関係づくりを支援し、社会参加への一歩を応援します。

摂食障害（拒食症・過食症など）

体重や食事へのこだわりが強くなり、心と体のバランスを崩してしまう病気です。看護師は体調管理を行いながら、「食べること＝生きること」を見つめ直す支援を行います。焦らず、本人のペースを大切にしながら回復を支えます。

PTSD（心的外傷後ストレス障害）

過去のつらい体験が、今の生活や気持ちに影響を与えることがあります。訪問看護では、安心できる時間と空間を大切にしながら、少しずつ心の安全を取り戻せるよう寄り添います。医師や心理士と連携し、心の傷にやさしくアプローチしていきます。

依存症（アルコールなど）

やめたいのにやめられない——そんな苦しさを、ひとりで抱え込む必要はありません。訪問看護では、依存の背景にある気持ちを理解し、「別の安心の形」を一緒に探していきます。再発予防や生活リズムの支援も行い、安定した生活を取り戻すお手伝いをします。

その他の精神的な不調にも対応します

はっきりとした診断がなくても、「眠れない」「外に出るのが怖い」「薬を飲むのが不安」など、心の不調や生活の困りごとを感じている方もご相談ください。訪問看護は、“困ってから”ではなく、“困り始めたとき”から利用できます。

あなたの心に、もう一度かがやきを

訪問看護ステーションかがやきでは、病名や診断にとらわれず、「その人の生活」を大切にしています。こころの病の回復とは、“元に戻ること”ではなく、“今の自分で生きていく力を取り戻すこと”。私たちはそのお手伝いとして、日々の中に小さな安心と希望を届けています。

また、正式な診断を受けていなくても「心の調子が気になる」「気持ちが安定しない日々が続いている」という方も、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの暮らしが、少しずつ光を取り戻していけるように——私たちは今日も、一人ひとりに寄り添いながら歩み続けます。